エジプト - 王たちの眠る谷 - Luxor in Egypt





ホテルから望む,雄大なナイル川を眺めながら起床.
さあ,今日はどんなウザいエピソードが待っているのでしょう.


朝ごはんはなかなか豪勢です.
ナイル川を眺めながら,ゆるりといただきます.

そして,昨日空港から乗せてくれたドライバーに電話をします.
この人だけが,最初から妥当な値段を言ってくれたからです.

ルクソールは公共交通機関が乏しく,基本的にタクシーで移動します.
ですので,1日チャーターなどをして複数の場所を周ったりします.
交渉の結果7000円くらいに,1人3500円程度ですね.

まずは本日のメイン,王家の谷 (Valley of the Kings) に向かいます.
ルクソールからタクシーで40分程度.
ドライバーさんからボールペンや値段交渉,エジプトの治安,政治の状況など,色々な情報をもらえました.


王家の谷の入り口には,おみやげやさんが並びます.
色んな種類の売り物を抱えた人が近寄ってきて
「ワンダラー!ワンダラー!」
と叫んできます.
エジプトではドルも価値があるため,1ドルだ!買ってくれ!という意味です.
周り4人ぐらいに囲まれてワンダラーの応酬です.

ウザい!


ワンダラーを抜けると,王家の谷の入り口です.
現在64基の墓が見つかっており,そのうち12基が公開されています.
1つのチケットで3つ選択でき,ツタンカーメン王の墓などは別料金です.

チケットを買おうと並んでいると,おじさんが墓の説明を始めました.
選択できる3つの墓をどう選べばいいか説明しているようです.
説明が一通り終わると,私たちの方に寄ってきて,手を出して
「マネー,マネー」
勝手に説明してたのに?

爽やかに無視をして,チケットを買います.
入場券+3つの墓,ツタンカーメン王の墓,ラムセス4世の墓,墓の中で写真を撮れるチケットを購入.
ガイドブックに書いていた値段より,結構高くなっていました.

少し進むと,カメラチケットのチェックだと呼び止められました.
他の人は言われていないのに,,,嫌な予感がします.
カメラのチケットを見せると,勝手に墓の説明が始まりました.
そして,私のパスポートケースに入っているボールペンを貸せと言います.
渡すと,なんだこれ書きにくいな,みたいな態度で,スッとボールペンを自分の手元に,そして自分のボールペンで説明を続けます.
説明いらないから,と伝えると,手を出して
「マネー,マネー」
金はやらんし,ボールペン返せよ.
(ちゃんと取り返しました)


谷の入り口までは,このバスみたいので行きます.


念願の王家の谷に到着です.
殺風景ですが,雰囲気があります.


谷の全貌です.
そこら中に墓があります.


まずはラムセス4世 (Rameses IV) のお墓へ.








いきなりのハイライトです.
ヤバい!
こんな言葉しか出ませんでした.
周囲をヒエログラフ (エジプトの象形文字)で囲まれるのは,かなり迫力を感じます.
これが墓への通路だというのですから,恐ろしく豪勢な墓ですよね.

通路の壁に書いてあるのは,侵入者に対する呪いの言葉だそうです.
呪いなんて信じていませんが,呪われる気がします.

一番奥には棺が安置されていますが,ミイラはここにはありません.

世界ふしぎ発見で見るのとは全然違う迫力でした.


続いてタァウセルト/セトナクト (Tausert/Setnakht) の墓です.





次は白っぽいお墓です.
死をつかさどるオシリスや,漫画でもよく出てくるアヌビス神やホルス神が描かれています.

どんどん進みます.


谷の奥の方は狭くなっています.


こんな感じで,お墓が盗掘から逃れるために隠されています.
結局ほとんど盗掘にあってしまったわけですが,,,

次にラムセス3世 (Rameses III) のお墓へ






結構壁が崩れているところもありますが,奥の柱がある広場の迫力がすごいです.
途中で進めなくなりますが,その先もかなり奥まで続いていました.

お次は別料金のラムセス6世 (Rameses VI).










さすが別料金なだけあって,壁画の発色がかなりきれいに残っています.
天井も奥に行くほど高くなり,大きな空間になっていました.

と,監視員が声をかけてきます.
「写真のチケットを見せろ」
これは他の墓でも何度も言われました.
購入しているのでチケットを見せると,
「もうすでに3つの墓に行ってるじゃないか!無効だ!」
「は?墓の中で写真を撮っていいチケットでしょ?」
「3つまでなんだよ!もう使えねーんだよ」
「じゃあ最初に写真を撮りたい墓に入っておけばいいっていうシステムなの?おかしくない?」
「決まりは決まりだ!でも写真撮りたいんだろ?」
と手を出して
「マネー,マネー」

ウザい!

ただ,撮影チケットを購入するときに,3つまでとか書いていた気もする,,,
「いくら払えばいいの?」
「それはあなた次第です」
払ってもらえると分かったら,急に声が丸くなります.
「んじゃ300円」 (エジプトの物価では結構高い)
「安いよ,,,もっとくれよ,,,」
「んじゃ500円,これ以上はいや」
「分かった.ありがとう!お金をもらったことは内緒にしといてくれよ!さあ!存分に写真を撮ってくれ! あ,シャッター押しましょうか?」

ウザいww

お金への執着が半端ないww

そして最後はツタンカーメン王の墓へ.
正確にはトゥト・アンク・アメン (Tut-ankh-amen) です.
こちらは撮影禁止でしたので,ニュースサイトからの引用です.


実はツタンカーメン王は大きな功績を残した訳ではありません.
そのため,墓もこじんまりとしていて,壁画のクオリティーも高くありません.

では,なぜこんなにもツタンカーメンが有名かというと,この王家の谷で,唯一盗掘を免れたからです.
そのため,有名な黄金マスクなど,歴史的価値の高いものが,後世に伝えられました.

もっと権力を持っていた王の墓にはいったいどんな宝物が眠っていたんでしょうね.

Mummy of King Tutankhamun, at his newly restored tomb in the Valley of the Kings, Egypt (31 January 2019)

もう一つこの墓の特徴として,本物のツタンカーメン王のミイラが安置されています.
ミイラが置かれているのは,ここだけです.
見せ物になっているのは,何となく申し訳ない気持ちになりました.

すると,監視員が声をかけてきました.
「写真撮っていいよ!」
またお金ですね.

ただ,死者を写真に撮るのは,という気持ちと
このミイラを写真に撮ると,もれなく発熱などの症状が付いてくるという噂もあり,
「いや,やめときます」
と言って,ミイラに手を合わせていると
「君たちはツタンカーメン王をリスペクトしているんだね,,,でも写真は撮った方がいいぜ!」
何よりもお金が勝る国,エジプト.

ウザい事件は複数ありましたが,
大満足です.

入り口まで戻ると,タクシーのドライバーが待っていてくれています.
「よし!じゃあ次に行こうか!」




ハトシェプスト女王葬祭殿 (Mortuary Temple of Hatshepsut).
古代エジプト唯一の女性ファラオ,ハトシェプストの葬祭殿ですが,王家の谷を見た後だと,断然見劣りしてしまいますね.
しかも建物があまりに直線的なので,当時の技術としてはすごいわけですが,今見ると,最近造られた建物に見えてしまいます.

ここにもワンダラーロードがありましたが,まとわりついてくるおっさんと一緒に
「ワンダラー♪ワンダラー♪」
と一緒に楽しむことにしました.

あまり見るところもなく,
さっさとタクシーに戻ります.
「オッケー,じゃあ次だ!」


メムノンの巨像.
アメンホテプ3世の像にして,本人の葬祭殿の入り口でしたが,今は巨像のみ残っています.
一時期うなり声をあげていたらしいですが,温度差による朝露の蒸発が原因だったらしい.
5分で満足.

「じゃあ飯にするか!」
ドライバーさんが,おすすめのレストランに連れて行ってくれました.







レストラン AFRICA.
ナイル川を望みながら昼食です.
おすすめなだけあっておいしい!
やはり私にとっては白ご飯食が重要なんでしょうか?

お腹も満たされ,タクシーで走っていると,道路を移動する羊の群れを発見しました.


子供たちが陽気すぎるw
ウザい大人になってほしくないものです.

さて,ドライバーさんの手際の良さもあり,時間に余裕ができたので,昨日行けなかった,もう一つの神殿,巨大な石柱で有名なカルナック神殿 (Karnak Temple) に行く余裕ができました.


神殿入り口.


神殿全体像の模型.



















ルクソール神殿に負けず劣らずの迫力です.

かなり敷地が広いのですが,ところどころ,鍵がかかって入れない場所があります.
そこにいた係員らしきおっさんが手招きしています.
入っちゃいけない鍵の扉を開けて,中を見ていいというのです.
またか,,,
とりあえず中に入ってみます.
特に見て楽しいものはありません.
何もないじゃん,と出ようとすると
「マネー,マネー」
準備していた100円程度を渡すと
「これじゃ少ないよ,もっと必要だよ」
「それ以上は払わないよ,はい,どいて」
少し対応に慣れてきました.

そしてここでもL君がやらかしました.
細かい説明は省きますが,オベリスクに向かって
「うおー!あれ乳首じゃなかったんですね!!」
と叫んだところ,隣に思いっきり日本人がいました.
フィレンツェに続いて2回目ですね.

カルナック神殿が見れたことで,元々見ようと思っていたすべての場所に行くことができました.
飛行機のアクシデントをなんとかカバーできてよかったです.
満足してルクソール空港に向かいます.



夕焼けに染まるルクソール空港.
昼間に自転車でルクソール観光をしていた日本人観光客と再会したのですが,話を聞いていると,なんとスイスに留学している私の知り合いと同じ研究室所属でした.
世界って狭いですね,,,

18:20発の飛行機で,19:30カイロに到着.

ここからタクシーで市街地に行かなければなりません.
またあの交渉です.


飛行場の駐車場はカオス状態で,車がそこらじゅうでスタックしていました.
そしてクラクションの音が鳴り続けています.

4台くらい交渉して,一番安い車にしましたが,ガイドブックやネットに載っている値段より高いんです.
ルクソールのドライバーさんが言ってましたが,政府がお金を集めるために,観光関連の税金をどんどん上げるらしく,それで値段が高騰してるみたいです.

とりあえず一番安かったタクシーに乗り込みます.
しばらく走っていると,
「ねえ,やっぱこの値段安すぎるから,もうちょっと上乗せしてくれない?」
「ちゃんと乗る前に交渉したので,その値段でお願いします」
「でもほら,こっちも生活かかってるから」
「ちゃんと交渉しましたよね?」
とかやり取りしているうちに,恐ろしいものを発見してしまいました.
この車,,,
右サイドミラーがない,,,
左サイドミラーはセロテープでとめてあるけどズレてる,,,
L君がつぶやきます.
「車はまっすぐ走っているのに,ハンドルは横向きです.おかしいです.」
ヤバい.
とりあえず無事ついてくれ.


さらに衝撃の光景.
バイクに二人乗りしてる母親が,横乗りで赤ちゃん抱っこ!
あかん!それはあかん!


なんとか無事ホテルに到着.
ラムセス ヒルトン ホテル (Ramses Hilton Hotel).


ナイル川沿いのホテルです.
カイロは夜のライトアップがきれいです.

入り口でタクシードライバーに声をかけられます.
「どこまで行くんだい?乗ってけよ!」
「いや,目的地ここのホテルなんで」
「なぜ?!いいじゃないか!乗ってけよ!」
もう目的が分かりません.

とりあえず夕食を食べに出かけます.
エジプトは信号がほとんどなく,6車線くらいの道路も自分で横断しなければなりません.
しかも交通量がかなり多い.
大きな道路を渡るタイミングを計っていると,向かいでバイクに乗った青年たちが,わざわざ停車して私のことを見ています.
心配してくれているのか,面白がっているのか,,,
なんとか道路を渡り切った私のもとに,先ほどの青年たちが寄ってきます.
「日本人?」
「そうですよ」
「ほら!やっぱり!!一緒に写真撮ってもらえませんか?」
何と驚くことに,一緒に写真を撮るために待っていたようです.


歩道のない車が行き交う道を歩きます.
最初は怖かったですが,すぐに慣れますね.


ナイル川に停泊している船の中で夕食.
謎の光る小舟が行き交っています.


雰囲気は高級な感じでしたが,特に美味しくはなかったです.

夕食を終え,車道を歩いて帰りこの日は就寝しました.




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